1勝2敗とGame#4は是が非でも勝って、ホームに戻りたいGSWは、スターターをBogutからIguodala に変えてきました。5人全員機動力のある選手で固め、スロー・テンポからアップ・テンポなバスケットに持ち込みたい狙い。また、CLE は怪我人が多くベンチ・プレーヤーが少ないため、終始アップ・テンポなバスケットに付き合わせて終盤にガス欠させようという狙いもあったようです。
Bogut を外した超スモール・ラインアップは、速攻もできて、確かにボールが回り、良い形でノーマークのシュートをクリエイトしていましたが、反面リバウンドに弱く、Tristan Thompsonにオフェンスリバウンドを取られます。結局、この作戦が仇となり2ndチャンスから点を取られ、序盤は0-7とリードを奪われます。
しかし、T/O後、ノーマークのシュートが入り始め、リードを奪い返すことに成功します。Game#3まで不調だったBarnesとGreenのシュートも入り、GSW はどんどん勢いに乗ります。そして、54-42と本シリーズ初めてGSWがリードしたまま前半を終えます。
2Q半ば、LeBron がゴール真下付近のカメラマンのカメラと衝突し、頭を切る怪我をします。これ以上、CLE の選手の欠場は耐えられなかったのですが、無事コートに戻ってこれたのでホッとしました。
3Q、CLE はディフェンスのギアをあげ、スモール・ラインアップによって早くなったGSW のボール・ムーヴメントを潰します。また、リバウンドで圧倒し、2ndチャンスからコンスタントに得点します。CLE は勢いを取り戻し、GSWの得点を抑え、一時は65-62の3点差まで追い上げます。
しかし、CLE の猛攻はここまで。4Qではガス欠のためギアが失速し、GSW のアップ・テンポな展開について行けず、次第に足が止まるCLE。Curryの3ptsなどでじわじわとリードを広げられ、最後はガベージ・タイムとなり、ゲームセット。
これで2勝2敗のイーブンにしてホームに戻れることになったGSW。CLE はGame#5まで中2日あるので、少しでも主力メンバーの体力を回復させたいところ。GSW は、恐らくGame#5でもスモール・ラインアップで挑んでくるでしょう。主力メンバーの少ないCLEは対応する術がないように思いますが、どのようなアジャストしてくるのでしょうか。
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雑記
NBAライターの宮地陽子さん曰く 、GSW のスターター変更は直前まで秘密だった模様。事前の記者会見で、スターターについて尋ねられたKerr HC はCLE を動揺させるために「いつも通りで行く」と嘘を付いたそうです。新人 HC のはずですが、こういう駆け引きを仕掛けるあたり、さすがだと感じます。GSW の奇襲にやられてしまった、CLE のBlatt HC が次戦ではどのような策を練ってくるのか、HC 同士の対決も見物ですね。
Game#2でGSWがスモール・ラインアップを実践した時に、大暴れしたMozgovはこのGame#4でもインサイドを支配します。GSW はサイズ・高さのあるMozgovに対してファールで止めるしか術がないのは同じだったようで、ガードするのにとても苦労していました。やはりスモール・ラインアップはディフェンス面で明らかに不利。そのリスクを承知して、この作戦を実践しているのですから、HC も相当の覚悟だったと思います。
ただし、オフェンスとは反対にディフェンスでMozgovは穴になります。スモール・ラインアップにより、Bogut もEzeli もいないため、恐らくGSWのメンバーで一番キャッチ・アンド・シュートが苦手なIguodalaをマークします。しかし、スピードのミスマッチがあるため、離れてガードするしかできず、Game#3からオフェンスの積極性を持続していたIguodalaに外からどんどんシュートを決められます。終盤は外のないLivingstonをマークしていたため、少しは穴を隠せたと思います。
Shumpert とJR のシュートがGame#4では入りませんでした。LeBron のアイソからの展開でこの二人が得点できないようだと、CLE の得点がガクッと下がるようです。特にJRは、4本連続で3ptsを外したシーンがあり、とにかくこの日はリングに嫌われていたようです。
スモール・ラインアップによって、1試合90点前後に抑えられていたGSWの得点が、一気に100点以上を記録します。やはり、100点以上がGSWのペースのようです。CLE はスモール・ラインアップに対抗しようにもできないのが厳しいところ。怪我人の多さとベンチ・プレーヤーの層の薄さが、仇となっています。
Game#3でハマッたLeeのスリップですが、Game#4ではそのシーンがあまり見られませんでした。CLE がスリップさせないようにアジャストしたのか、それとも通常のPNRにてボールの展開先であるBarnesやGreenのシュートが好調だったため、そもそもGSW がスリップをしなかったのかは不明。どちらにしろ、スモール・ラインアップとなったGSW の攻撃に対してCLEは手が出なかったため、CLE は更なる対応が必要のようです。