2014/06/30

2014 Rookie : Rodney Hood


Exumに続き、UTAが1巡目23位で指名したDUKE大学のRodney Hoodを紹介します。
サイズのあるSFのHoodは、FAのMarvinやJeffersonが抜ける分を埋める良い補強になりました。





◇PROFILE
  • DOB : OCTOBER. 20, 1992
  • SCHOOL : DUKE
  • CLASS : SOPHOMORE
  • POSITION : SF
  • HEIGHT : 6' 8.5''
  • WEIGHT : 201 pounds
  • WINGSPAN : 6' 8''

◇STRENGTH
  • SIZE FOR POSITION
    サイズはある方ですがNBAのSFではそこまで優位になるほどでもなさそう。ウィングスパンはExumよりも短い6'8''ですし、身体能力に優れている訳でもなさそう。
  • SHOOTING STROKE
    MarvinやJeffersonが抜けるため、キャッチ&シュートに優れており、3ptsシュートは42.0%と高確率なのでかなり魅力的。しかもサウスポー。
  • FEEL FOR THE GAME
    DUKE出身もあってかどのプレイも精度が高い。視野が広く状況判断も良いため、P&Rやアイソからオフェンスをコントロールできる。
  • IMPROVED SLASHER
    決して速くはないが、ゴール下までペネトレイトしフィニッシュを決めるテクニックがある。

 ◇WEAKNESSES
  • DEFENSE
    オン・ボール/オフ・ボールともにディフェンスが悪い。単純にディフェンス意識の欠如が目立つ。
  • STRENGTH/TOUGHNESS
    ディフェンス意識の欠如はリバウンドにも影響しており、スクリーンアウトをしないためDREBが取れない。体の強さがないため、ディフェンスではスクリーンを振り切れなかったり、オフェンスではパワーでリム近くのシュートを押し込めなかったりする。
  • CREATING OFFENSE
    ぺリメーター・シュートの確立は悪くないため、オフェンスに幅があるかと思いましたがそうでもないとの指摘。上述の通りフィニッシュ力に欠けるそうな。

◇感想

オフェンスに関してはペリメーター・シュートの確率の悪いExumよりも魅力的です。3ptsのキャッチ&シュートが得意なため、良いシューターとして機能しそうです。しかし、DUKE出身に似合わずディフェンス・レスなのはいただけないため、課題として改善して欲しいです。制限付FAのHaywardですが、恐らくUTAに残留すると思います。よって予想ではSFのスターターはHaywardが務めるためHoodは控えになるでしょう。シーズンでは多くのプレイタイムが与えれらるようがんばって欲しいです。


(おまけ)
UTAは2巡目35位でJarnell Stokesを指名し、 MEMへ2016年の2巡目指名権と引き換えにトレードしました。2014 - 2015 シーズンもまだまだタンク予定のUTAの来期以降のドラフト指名権は以下の通りです。

2014/06/28

2014 Rookie : Dante Exum



NBA Draft 2014 でUTAが1巡目5位で指名したオーストラリア出身のDante Exumを紹介します。
ポジションはPGですが、サイズがあるためSGでもプレイ可能でして、SGおよびSFの層が薄いUTAにとっては素晴らしい補強となりました。




◇PROFILE
  • DOB : JULY. 13, 1995
  • HOMETOWN : AUSTRALIA
  • POSITION : PG 
  • HEIGHT : 6' 6'' 
  • WEIGHT : 188 pounds 
  • WINGSPAN : 6' 9.25''

◇STRENGTH
  • SIZE FOR POSITION
    BurkeとのダブルPG起用が予想されている通り、彼のサイズはそのニーズを満たしている。ぺリメーターとポスト・プレーのどちらもハイレベルにこなせそう。
  • CREATING OFFENSE
    ペネトレイトとポストアップに限定すればクリエイティブだが、他は(あくまでVideoを観る限りでは)そうではなさそう。
  • BASKETBALL IQ
    海外選手はバスケットIQが高く、あまりエゴのない選手が多い傾向にあるがExumはどうだろうか。Quin Snyder 新HCの戦術に合うかどうかも注目。
  • DEFENSIVE POTENTIAL
    サイズの割りに横の動きが速い。自分より小さい相手のドライブも体で止めているところは好印象。UTAにはぺリメーターのディフェンスが得意な選手はいないので嬉しい限りだが、NBA選手相手では通用するだろうか。キャリアを積んで良いディフェンダーにもなって欲しい。

 ◇WEAKNESSES
  • PERIMETER SHOOTING
    ミドル・レンジや3ptsシュートの確立が良くない。現代バスケットでは3ptsのないGはあまり脅威でないため、課題として改善して欲しい。
  • TO PRONE/PG SKILLS
    視野は広いが、PGとしてのパスの精度が良くない。UTAでは基本的なボール・コントローラーはBurkeとHayWardが担うため、あまり心配していない。
  • SHOT SELECTION
    アウトサイド・シュートがないため、無理にでもインサイドへ突っ込んで自滅するタイプだそうな。
  • STRENGTH
    ルーキーにありがちな体の弱さを指摘されている。確かに線は細い。

◇感想

昨シーズンあれだけ負けまくったのにドラフト・ロッタリーで5位指名となり、Andrew WigginsやJabari Parkerが獲れなかったことは残念でしたが、ExumやHoodを獲得できたことに加えてFavorsもBurksもチームに残るのですから、個人的には満足です。上述の通り、ExumはSG起用となり、HaywardやBurksと共にウィングを強化してくれることを願います。またバック・コート陣で唯一ポスト・プレーができるため、オフェンスの幅も広がるのではないでしょうか。BurkeとExumのダブルPGはとっても楽しみ。

2014/06/17

NBA FINAL 2014 : SAS vs MIA - Game#5














1QのLeBronの孤軍奮闘も虚しく、2QからSASのチーム・バスケットがMIAのDFを圧倒し、またもや大量リードを築きます。1QはLeonard、2QはGinobili、3QはMills、4QはParkerと各Quarterで主役が代わるSASに対して、LeBron以外の選手が目立たないMIAとの差は歴然でした。この試合のSASはOFに加えてDFも素晴らしく、後半のMIAの攻撃を封じ込め追い上げモードにすらさせませんでした。
そして、Game#3、Game#4に続き大差で勝利したSASが2007年以来の優勝を手にし、昨年の雪辱を果たしました。LeBronをペース・ダウンさせるDFのみならず、Average 17.8pts、6.4rebを記録したLeonardがFMVPを受賞しました。
SASの選手、フロント、チーム関係者の方々、ファンの方々、優勝おめでとうございます!
SASは全員がFMVPに相応しいパフォーマンスだったと思います。Leonardや、Duncan、Ginobili、ParkerだけでなくDiaw、Mills、Green、Splitter、Belinelli、Bonner、全員が各自の役割をこなしていました。Kevin Durant、Carmelo Anthony、Paul Georgeというリーグを代表する選手よりも早くLeonardがFMVPを受賞したことが驚きではありますが、SASのBIG3に継ぐ次代のエースが誕生したということなのでしょう。FMVPに選ばれた時のチーム・メイトの歓迎・盛り上がりが素敵でした。
そして、惜しくも敗れたものの間違いなくリーグNo.1プレイヤーはLeBronでしょう。今後もLeBronがいる限りMIAは優勝する可能性は十分にあります。



雑記
  • 1勝3敗と後がないMIAはシリーズ不調のChalmersからRay様にスターターを代えてきました。MIAは1Qからギアを上げます。DFが成功したというよりもSASのシュートが全く入らず、そのおかげでDFリバウンドから速攻を仕掛 けたMIAは残り5minで6-22とリードします。しかし、その後シュートが入り始めたSASはいつもの素晴らしいボール・ムーヴメントからノーマーク を作り出し追い上げ逆転します。DFで抑えられないので、OFもリズムに乗れないMIAは2Qと3Qで計29ptsしか得点できませんでした。
     
  • MIAは Game#3あたりからスクリーンに対してスイッチで対応していました。SASにノーマークを作らせないための策ですが、SASはスイッチで生じたミスマッチを上手く活かします。際立ったのが4QのParkerの連続得点でした。ParkerにはLeBronがマッチアップしていたのですが、Duncanがスクリーンに行くことでDuncanをマークしていたAndersenがスイッチでParkerにつきます。通常MIAはスクリーナーのディフェンダーはヘッジを仕掛けるのですが、スイッチすることによってParkerとAndersenとの間にスペースが生まれます。Parkerはこのスペースを活かし、AndersenやBeasleyからミドル・シュートやゴール下へのドライブを仕掛け高確率で得点していました。
  • SASもスクリーンに対してスイッチで対応していたのですが、MIAはLeBron以外スイッチで生じるミスマッチを活かせません。スイッチでBoshにParkerがつくなどいくつかミスマッチが生じたのですが、MIAがアイソレーションに持ち込む前にマークマンを元に戻したり、Wチームからローテーションで守りきったり、SASのDFが素晴らしかったためにMIAが攻め切れなかったとも言えます。
  • 昨年のFINALではMike MIllerをスターターにするSpoelstra HCの采配が冴え渡り、MIAがシリーズを制しましたが、今回はPopovich HCの采配が素晴らしかったです。MIAが連続で得点し、これから追い上げようというタイミングでT/Oをとり、リズムを崩します(T/O後にきちんと得点するSASの選手も素晴らしい)。また、この試合の4Q残り9minでMIAがリードを広げられ落ち着かせるためにT/Oとるのですが、T/O後のMIAのスローインをオールコートで5secヴァイオレーションにさせたのはえげつなかったです。

(感想)
  • 2007年のBOSの優勝からスーパースターが1チームに集まり優勝を狙うスタイルが増えましたが、SASのような組織的なチーム・バスケットでも優勝ができることを証明できたことは個人的にはすごく良いことだと思います。UTAもスモール・マーケットなのでSASのようなチームを目指して欲しいです。
  • WCSFではPORがSAS相手に1勝、WCFでOKCが2勝、MIAですら1勝しかできませんでした。そんな中、第7戦まで戦い、今PlayOffで唯一SASを苦しめたといえるDALは事実上の準優勝なのでしょうか。


2014/06/14

NBA FINAL 2014 : SAS vs MIA - Game#4

Game#3でブローアウトを喰らい、ホーム・コート・アドヴァンテージを失ったMIAはGame#4はMUST WINのはずでした。しかし、またもやSASに前半から大量リードを奪われる展開にチームの雰囲気も一気に敗戦モードへ。3QにLeBronがチーム21Pの内、19Pをとりますがリードを縮められずにまたもやブローアウト。2011年のFINALでDALに敗れて以来の連敗を喫しました。
MIAはコート上でもベンチでも覇気がない。SASのOFは人もボールもよく動くため、MIAのDFがついていくのがやっとでプレッシャーがあまりかけれていない。また、SASのP&Rはスクリーナーがスクリーンのコースを直前で変えたり、フェイクでゴール下へカットしたりするため、ヘッジを仕掛けづらくDFが混乱しているのがよくわかります。DFからリズムに乗りたいのですが抑えきれず、OFでもSASを圧倒できていません。このまま行くと次のGame#5で勝負が決まってしまいますが、果たして波乱はあるのでしょうか。Game#3でPopovich HCはスターターを変更してきましたが、後の無いMIAのSpoelstra HCはどのような対応を見せるのでしょうか。



雑記
  • 個人的にこの試合のワースト・プレイヤーはWade。SASは完全にWadeのアウトサイドを捨てているのでWadeが3Pラインでノーマークになっても脅威になりません。Wadeもシュートを打たずパスをしますが、SASはそのパスを読み、Wade以外のノーマークを作らせません。3Q終了時点で4Pしか得点できていないことに加えてDFも散々でした。まずDFの戻りが遅いです。自身がファールをもらえなかった時に審判に抗議をするのですが、Wadeが戻らないことによって生じるOFでの数的優位をSASは逃しません。必ずノーマークを作ります。これは昨年のFINALでも散々指摘されていました。また、Diawをマークすることが多かったのですが、サイズのミスマッチをつかれ、ポストアップでやられていました。Boshがヘルプに行くと空いたスペースにアシストを決められるなど、Wadeのところから攻められていました。
  • 4Q序盤にAndersenのファール・トラブルによってHaslemがコートに入るとWadeは息を吹き返します。長年、同じチームでプレーしているため息もピッタリな二人。HaslemのスクリーンとOFリバウンドがWadeを助けます。HalemとプレーするWadeはそれまでとはまるで別人のように安定してシュートを決めていました。安直ですが、Game#5ではLewisに代えてHaslemをスターターで起用するのもアリかと思います。
  • ファール・トラブルの罠から抜け出せないGreenは、この試合もわずか19minのプレイタイムに制限されました。シュートが好調なのでとっても勿体無い。しかし、プレイタイムが制限される理由はファール・トラブルだけではなさそうです。3Qの開始早々TOを犯し、コートサイドでPopovich HCを怒りで飛び上がらせます。LeBronが連続で得点し、追い上げモードの波に乗りかけていたため、不用意なTOはNGでした。Parkerが得点を返して何とかPopovich HCの怒りを静めますが、その後、せっかくOFリバウンドをとったのにパスミスを犯ししたため、Popovich HCの逆鱗に触れます。結局、この後Ginobiliと代えられしばらくコートに戻りませんでした。
  • 控え選手がスターターと同じレベルでプレイできるSASは本当に脅威です。この試合でも控え選手だけで41Pを奪取しています。対するMIAは30Pでそれほど悪くはありませんが、James Jonesがガベージ・タイムで11Pを決めています。今のところ、Game#1からGame#4まで控え選手の得点はSASが上回っています。この試合もGinobiliは勿論、Mills、Splitter、Bonnerが要所で良い働きをしていました。MIAは如何にしてこの的を絞らせない全員バスケットを防ぐのでしょうか。
(感想)
SASの全員バスケットとは対照的にMIAのOFはスーパースターの一辺倒が目立ちます。前半を55-36と大量リードを奪われましたが、MIAの36Pは少な過ぎ。個人的にはMIAのOFの限界を感じた試合でした。SASのOFは上述の通り、人もボールもよく動きます。一回のOFでほぼ全員がボールに触ります。一方、MIAのOFはLeBronやWadeがボール・コントロールをし、P&Rやペネトレイト、ポストアップを仕掛けます。二人以外はヘルプからノーマークが生まれるとパスをもらいシュートを打ちますが、一回のOFでボールに触らないこともあります。MIAのシューター陣が不調に終わりましたが、定期的にボールに触らないとシューターはリズムに乗れません。LeBronやWadeのスーパースターの一辺倒もハマれば強力なのですが、二人以外の好不調の波を生み出してしまう要因の一つになっているのではないかと思えました。

2014/06/12

NBA FINAL 2014 : SAS vs MIA - Game#3

前半だけで71Pを奪取し、異常な高確率でシュートを沈めたSAS。3Pに至っては6/6でした。Game#2ではファール・トラブルによりプレイタイムが制限されたGreenとLeonardが攻守両面でチームを引っ張っていました。
3QはWadeの3PプレーとBoshの3Pで反撃の狼煙をあげるMIA。しかもLeBronがParkerにマークし、SASの攻撃のリズムを崩します。MIAのDFのギアがあがり、前半あれだけ決まっていたシュートも決まらなくなったSASはTOを連発し点差をどんどん縮められます。
何とか11点差で4Qを迎えたSASはLeonardがスーパーサイヤ人 となり、再度攻守両面で活躍します。いつもなら鬼の如く追い上げてくるMIAでしたが、4Qは不用意なTOを連発し点差を縮められません。結局、話されたまま残り時間が少なくなり、SASの磐石のゲーム・クローズによってGame#3はSASに軍配があがりました。
MIAにとって、Parker、Duncan、Ginobiliの三人にある程度やられるのはゲーム・プラン通りでしょうが、この試合のようにGreenとLeonardの二人合わせて44Pも取られるのは予想外だったことでしょう。3Pだけを警戒していたところ、二人ともインサイドにがんがんドライブしてくるので効果的に守れず、かなりの確率で得点を許しました。ただし、今日のパフォーマンスはやはり出来過ぎな感じは否定できないので、次戦ではきっとMIAが巻き返し敗戦後の次の試合の連勝記録を伸ばしてくることでしょう。




雑記
  • 今日のMVPは文句無しでLeonardでした。スーパーサイヤ人と化したLeonardは前半、LeBronをマークしながら得点を量産し、大量リードに貢献したことも素晴らしいのですが、4Qに追い上げてくるMIAを振り切ったのはLeonardの活躍があってこそでした。印象に残ったのが4Q残り6minにRay様が速攻でレイアップにいったシーンで、LeonardはRay様に後ろから追いつきブロックに飛びます。Leonardのブロックに警戒したRay様はレイアップを落とし、この後GinobiliのFT×2によりMIAは点差を広げられ、追いつく気力を奪われていました。
     
  • アウトサイドが好調なLewisとBoshのインサイド陣を警戒して、SASはスターターをSplitterからDiawに変更してきました。Lewisはこの試合も好調でしたが、Boshは確率は良かったのですが、FGAが4本とシュート数が極端に少ない。Diawがマッチアップすることである程度抑えていたとは思うのですが、単にチャンスが少なかっただけかも・・・
  •  Game#2で苦しめられたChalmersとLeBronのP&Rですが、SASはスクリーナーのディフェンダーがヘッジを仕掛け、ボールマンの動きをストップさせることで対応していました。P&RからポップするLeBronに対してローテーションも追いついたため、ある程度防げていたように思えます。
    しかし、MIAは3QにP&Rを仕掛ける前にスクリーナーのディフェンダーに対してスクリーンをかけたりしてきていたので、今回のSASの対応が今後も通用するかどうかは疑問。

2014/06/10

NBA FINAL 2014 : SAS vs MIA - Game#2

2011年のFINALでDALに敗れて以来、PlayOffでの連敗がないMIA。なんと敗戦した次の試合では12連勝中だそうです。Game#1の終盤でLeBronが離脱した原因は、水分不足からくる足の痙攣だったようです。冷房が故障し30℃を超える厳しい暑さ中、ハイパフォーマンスを維持し続けるのは超人LeBronと云えど限界がきてしまったのでしょう。Game#2ではAT&Tセンターの冷房も直り、万全の態勢で試合に臨んだMIA。そして、ベテラン揃いのSASにとってはホームで2勝したいため負けられない重要な試合でした。
1QではGame#1の雰囲気を引きずってしまったのかLeBronはTOを連発しましたが、3Qで爆発し一気にリズムに乗りました。Leonardがファール・トラブルでベンチへ下がるとDiawがLeBronをマークしたのですが、ドライブを警戒しスペースを空けて守っていたDiawからミドル・シュートと3PをFGM-A : 6/7 (3PM-A : 2/2)で決めていき、試合のペースをMIAへたぐり寄せます。
この試合のTurning PointとなったのがChalmersの肘打ちフレグラント。2点リードしていたSASはFT×2を決めて4点リードでマイボールとしたかったのですが、肘打ちを喰らったParkerが2本落とします。FT後のマイボールで得たFT×2も、先ほどのParkerのFTが伝染したのか、Duncanも2本落とし、次のMIAのOFでリズムに乗っているLeBronに3Pを決められます。結局、最大6点リードしたかった場面が、2点ビハインドとなり、追う展開となってしまいました。
肘打ちの影響が心配されたParkerですが、残り2:25で3Pを決めMIAのリードを奪い返します。しかし、LeBronを警戒しDFをインサイドへ収縮すると、右コーナーでノーマークで待ち構えていた好調のBoshに3Pを決められ再度逆転されます。
この後、GinobiliとDuncanのTOもあったのですが、LeBronを中心としたMIAのプレッシャーDFがSASの追い上げをシャットアウトし、見事シリーズをイーブンにします。また、この試合でMIAはPlayOffで敗戦した次の試合での連勝を"13"に伸ばしました。



雑記
  • 1QのDuncanはゴール下を完全に支配していました。OFリバウンドをよく取り、FGM-A 5/6 でシュートを決めていた。MIAは中盤、DuncanのマークマンをLewisやBoshよりもフィジカルに強いAndersenに変更しプレイタイムも増やしました。DuncanはAndersenに対してローポストからゴール下まで押し込むことができず苦戦し、FG%も落とします。
  • DuncanとLeBronがテクニカルを取られ、ファールの多かったこの試合。両チームで計40個の笛が吹かれました。Green、Leonard、 そしてGinobiliまでファール・トラブルでプレイタイムが制限されたのはSASにとって計算外。Game#1で勝利の立役者となったGreenが 18minしかプレイしていないのが悔やまれます。
  • 3QでLeBronが爆発する前に効率良く得点を取っていたのが、ChalmersとLeBronのP&Rでした。LeBronはスクリーナーとしても優秀で、ChalmersのマークマンであるParkerはLeBronのスクリーンを振り切れません。結果、スイッチしますがLeBronにParkerがつくミスマッチが生じ、そこからLeBronにやられていました。SASはこのミスマッチが発生すると、ウィーク・サイドからWチームを仕掛けたりしていましたが、終始対応できていませんでした。
  • SASの2ndユニットが素晴らしい。Diawがコートに居るとLeBronにマッチアップできるだけでなくボール回りもよくなります。Leonardがインサイドへドライブして詰まってしまうが、Diawが良いタイミングでカットしボールを貰いに行ったおかげでTOにならずにDuncanのゴール下へ繋がりました。こういうことができる選手がベンチから出てくれるのはとっても頼もしい。また、今日はMillsが良かった。3Qの終盤では、3P×2とColeからチャージングを取り、LeBronがリズムに乗って突き放しにかかったところを何とか離されずにいられたのはMillsの踏ん張りのおかげでした。
  • 3Q、4Qと得点を量産したLeBronですが、OFだけでなく、彼がコートいることによってMIAのDFはより凶悪になるようです。Game#1では終盤に得点を奪われ続けたMIAのDFでしたが、この試合では4Q終盤のParkerの3Pの後は試合終了寸前に決まったGinobiliの3P以外、SASに得点を許しませんでした。LeBronはこの苦しい時間帯でParkerをマークし、振り切られずについて行き、スティール(ボールはアウト・オブ・バウンズ)し、超人の動きでSASのOFの機会を潰していました。とってもえげつないです。
     
  • 技術の一つと思いつつも、私はフロップが好きじゃない。今日のChalmersとWadeが受けたファールは明らかにフロップでした。また、ChalmersもWadeも手癖が非常に悪いからイマイチ好きになれない。よく笛が吹かれないなぁと思うことがよくある。わざとじゃないにしても、お願いだから今日のParkerへの肘打ちのような行為は今後やめて欲しい。。試合後のレビューでフロップの判定はされるのだろうか?

(感想)
Game#1ではLeBronの離脱もあり何とか勝てたSASですが、この試合では力の差を見せ付けられた結果となりました。正直私にはSASの勝つイメージはあまり浮かびませんが、Popovich HC はどのような策を持ってGame#3に臨むのでしょうか。
LewisとBoshのところで外からよくやられたので、スターターをSplitterからDiawやBonnerに変えてくるのでしょうか。LeBronにやられっ放しのLeonardが踏ん張り、一泡吹かすのでしょうか。楽しみです。

2014/06/07

NBA FINAL 2014 : SAS vs MIA - Game#1

UTAのお話を色々すっ飛ばしてFINALのレビューを書きます。二年前、WCFで二連勝から四連敗を喫したOKCに雪辱を果たしたSASと、昨年、Game#7までもつれ苦しんだINDを圧倒的強さでねじ伏せたMIAとの二年連続のカード。
今年はSASにホーム・コート・アドヴァンテージ(HCA)があるため、SASのホーム・コートであるAT&TセンターでGame#1が行われましたが、なんと冷房が故障したため、アリーナの中は最大32℃まで上がったそうです。このため両チームとも選手の出場時間を最小限に抑えており、この試合で一番長くコートに立っていたのはParkerの37minでした。
MIAはLeBronが4Qの残り4minで怪我(足を攣った?)のため、ベンチへ下がりコートには戻りませんでした。そこから一気にリードを広げたSASがまずは一勝。暑さのためか、MIAのお家芸である凶悪プレッシャーDFがあまり見られなかったのと、SASのFG%が58.8% (3P : 52.0%) とよく決まっていたため、Game#2では同じようにはいかないでしょう。
LeBronはGame#2で復帰できるとよいのですが・・・




メモ
  • 昨年FINALで対戦した時は、キャッチ&シュートの確率の低いLeBronとWadeに対して距離をあけて守っていたSAS。Game#1ではWadeには同様に離れて守っていたが、一方LeBronにはLeonardが距離を詰めて守っていました。自信があったのかもしれませんが、Leonardは前半ファール・トラブルに陥り、結果的に失敗に終わったように思えます。
  • Leonardがファール・トラブルでベンチへ下がると、GreenではなくDiawをLeBronにマークさせてきたSAS。そして、DiawもLeBronに対して距離を詰めて守ってきますが、これはLeBronがハーフラインと3Pラインの中間あたりから勝負を仕掛け、スピードのミスマッチでDiawを置き去りにします。結局、この後DiawはLeBronに対して距離をあけて守ります。
  • 初戦だからかSASの若手のミスがよく目立ちました。Splitterは前半から「決めきれない」 、「キャッチし損ねる」、「パスが悪い」という三大がっかりを連発。Splitterはいつものことだと思っていたら、GreenやLeonard、さらにはBelinelliまでもがパスミスなどを連発し、3QでMIAにリードを許してしまった。一応Belinelliを除いて皆FINAL経験者だし、MIAのDFが優れていたわけでもなかったため、とっても勿体無い。ただ、Splitterも、Greenも、Leonardも4Qではミスを挽回する活躍をしてくれた。特にGreenは、4Q終盤の試合を決定付ける三連続3Pは素晴らしかった!
  • MIAはBoshとLewisをIND戦に続き、スターターに並べてきました。DuncanもSplitterも、3Pを打ってくる相手を守るのは得意ではないため、この布陣はSASにとっては脅威。しかも、今日はBoshもLewisも3Pがよく入った。ただし、LewisはP&RのボールマンへのDFがよくない。ハードヘッジにもいかずポジショニングが中途半端であるため、2QではLewisのところからDiawによくやられていました。
  • MIAのDFの穴がLewisなら、SASのDFの穴はBelinelliでした。序盤にシュートが好調で出場時間を得ていたBelinelliですが、Lewisとマッチアップしたところ高さのミスマッチをつかれ、3Qでは狙われていました。WadeやLeBronにBelinelliをつけても効果的に守れず、当然のようにやられていたため、今後彼の出場がリスキーに感じてしまいました。
  • 4Q終盤にLeBronが怪我のためベンチへ下がった後、Green、Leonard、Parkerの3Pで試合は決まってしまったが、MIAはWadeも含めショックが大きかったのか、DFではいつものP&R時に仕掛けるボールマンに対するハードヘッジと、素早いローテーションによる凶悪なプレッシャーがかけれていませんでした。MIAのDFは終盤になるにつれよりアグレッシブになるのですが、この試合では沈黙していました。「LeBronがコートに立っていれば」と、思わんばかりです。しかし、SASのノーマークの3Pをクリエイトする美しいボール・ムーヴメントは本当に素晴らしかったです。UTAも見習って欲しい。
  • 昨年のFINALでも思っていたのですが、SASはRay様を追っかけるのが苦手。この試合でもよくRay様をノーマークにして3Pを打たれていました。確率は 3/8 と良くも悪くもないのですが、昨年あれだけ痛い目に遭ったRay様に8本は打たれ過ぎ。3Qに3Pが決まらなくなったRay様が速攻で豪快なダンクを決めた時は最高でした。このお方、本当に38歳ですか、、かっこ良過ぎる!!
  • (おまけ)
    Duncanがファールをコールされた時のリアクションがとってもかわいい。。