遂にAlがCHAと3年、$41Mで契約合意しました。(詳細は
こちら)
これまでUTAを支えてくれていた彼の離脱はとっても淋しいけれど、本人が希望していた高額契約が結べそうで良かったです。新天地でもがんばってください。
2010 シーズン・オフにCHIへ移籍したCarlos Boozerや怪我のMehmet Okurの代わりにMINからやってきたAl。UTAへやってきたAlは「ようやく優勝を狙えるチームでプレイすることができる」と思ったことでしょう。
Alは2004年のドラフトでBOSに指名され入団。2004 - 2005 シーズンにBOSはPlayOffに出場しましたが、その次のシーズンでBOSは再建モードに突入。Alは2006 - 2007 シーズンからスターティングCとしてプレイ。レギュラー・シーズンの成績はイースト最下位だったものの、インサイドの得点源となるまで成長しました。
来シーズンでの活躍も期待できた矢先に、BOSはKGの獲得のため(Paul Pierce、Ray AllenとのBig3結成)にAlを含む計5名 + 将来の1巡目指名権 + キャッシュと一緒にMINへ放出します。放出されたMINはKGが抜けたことで一気に再建モードへ。AlがMINに在籍した2007 - 2008 シーズン~2009 - 2010 シーズンまでのレギュラー・シーズンでの勝ち星はそれぞれ、22勝、24勝、15勝ほどでした。MINではリーディング・スコアラーとして評価も上がってきたAlですが、ずっと勝てずにいました。
そんなAlは上述の通り、2010 シーズン・オフにUTAへやってきました。2009 - 2010 シーズンのUTAはDeron WilliamsとBoozerのコンビが柱となり、PlayOffではWCSFまで進出。ようやく強豪チームへと加わることができました。BoozerがCHIへ移籍しても、新加入のAlがその穴を埋め、UTAはまだまだ強豪として"Wild West"を代表するチームであり続けるだろうと、誰もが思ったことでしょう。
しかし、2010 - 2011 シーズン前半に好調に勝ち星を積み上げてきたUTAですが、シーズン後半に差し掛かる前に不調のブレーキがかかります。これが差し金となったかどうかは知りませんが、DeronとHCであるJerry Sloan氏の仲が拗れてしまい、不運にもこれまで23年間、チームの指揮をとってきたSloan氏が辞任しました。これにより、Deronがチーム・フロントに対してSloan氏の辞任を要求したという話が広まり、チームは険悪なムードとなった結果、DeronをNJN(現BKN)へトレード。チームのHCと大黒柱を同時に失うことになりました。結果、暫定HCに当時ACだったTyrone Corbin氏(現UTAのHC)が就任しますが、その後のシーズン後半は黒星が先行し、PlayOffを逃してしまいます。2011 - 2012 シーズンではAlとMillsapを中心にチームをリメイク。レギュラー・シーズン8位でPlayOffに出場しますが、SAS相手にスイープされてしまいます。2012 - 2013 シーズンはPlayOffに出場できませんでした。
3シーズンUTAでプレイしたAlは苦しいチーム状況の中、本当によくやってくれました。以下は彼の3シーズン分の平均スタッツです。
"34.4 mpg, 18.5 ppg, 9.5 rpg, 2.0 apg, 1.6 bpg, and 0.8 spg"
ディフェンスでは拙いところもありますが、オフェンスとリバウンドでチームを引っ張ってくれました。ポストからのパターンは多彩で、ポンプ・フェイクやベビー・フック、ジャンプ・ショットにティア・ドロップまで放ちます。P&Rでは豪快なフィニッシュを決め、とってもエキサイティングな選手です。また、Kanterの良きメンターだったそうで、本人曰く「若いやつ(Knater)のプレイ改善のためにヘルプするのは当然のこと。上手く行けば、そいつが他の若いやつに同じことをするだろう。誰かがオレのためにそうしてくれたようにね。」 試合中でもロッカー・ルームでも頼もしい存在だったようです。
結果的に、これまでタイトル・コンテンダー・チームの一員として優勝争いに身を置くことは叶わなかったけれど、それでもめげないで献身的にチームのためにプレーした彼に賛辞を贈りたい。
NBAに入団してから9シーズンのAlの戦績は 282(勝) - 441(敗)です。今回、CHAとの契約合意となりましたが、CHAも勝てるチームではありませんし、2014年ドラフトで高順位指名権をGETするため、2013 - 2014シーズンも負けまくる予定との話。それでもCHAと契約合意したということはやはりサラリーに重きを置いたのでしょうが、それもプロの選択肢の一つだと思います。(もうちょっと待てばHowardを取り損ねたチームからのオファーもあったでしょうに。)プロとして優勝にこだわることと、ビジネスのためサラリーにこだわることのどっちに重きを置くかは非常に難しいところですし、本人の環境に寄るところもあります。ただ、後者の方が多数を占めている印象が強いのは、優勝することがそれだけ博打的な確率でしか成し得ないことなのでしょう。
彼はまだ28歳ですし、まだまだ先があります。いずれ、彼がタイトル・コンテンダー・チームの一員となり、優勝を経験できたらと願っています。それがUTAならとっても感動的ですね。 これからもひっそりと応援しようと思います。